NHKドラマ 監査法人

NHKで先週土曜夜9時に、ドラマ 監査法人がスタートしました。面白かったのですが、予想通りかなり大げさな部分があります。違和感のあったものをいくつか挙げます。
○会社の売上の何割かにあたる規模の売上水増しを見逃すとか見逃さないとかいうやり取りがありましたが、そんなものは最近いわれている監査の厳格化とは関係がありません。昔からそんな単純粉飾をあえて見逃すということはなかったはずです。まぁ、連結の範囲とかなんとかいっても視聴者にはわかりにくいからこういう設定にしたのでしょうが、一般の視聴者には誤解を与える設定だと思います。
○監査の初日にビルのロビーで大勢で出迎えてくれるシーンがありましたが、そんなことはされたことはありません。でも、地方に行くと5時くらいから宴会会場が用意されていて早々にかたずけさせられたり、市内観光に連れて行かれたことはありましたが・・・。
○監査結果の報告会で、ニコニコして入ってきた社長に対して主査(現場責任者)が決算を承認できませんと断言するシ−ンがありましたが、あれもありえないと思います。監査法人の意見は、監査法人内の審査機関の審査を経て結論が出されるもので、現場監査の最終日に主査が発表するものではありません。

他にもおおげさなところはたくさんありましたが、監査法人とクライアントで馴れ合いの部分が多かったというのは事実だと思いますし、監査法人に入ったときにその部分に違和感を覚えたのは確かです。そういう意味では最近の監査の厳格化の流れは、正しい方向なのだと思いますが、監査法人とクライアントとの関係がドライすぎるのもどうかと思うこともあります。親しくなった経理部員がココだけの話なんてことを話してくれたこともありますし、借りのある○○先生には迷惑をかけられないと経理部長が社長を説得するということもあります。意見が対立したら即契約解除みたいな雰囲気があるとそういうのは期待できませんよね。